おためごかし

「なんかお勧めの本、ない?」
「くすくす笑えるし、ふんふんってなるから結構面白い、気楽に読むにはお勧めよ。」

以前友人に勧められて、読みかけたままちょっとばたばたして放り出してた本をやっと読み終えました。


ストーリーがあるようでないような、日々のお話。
途中で止めても、最初から読み直さなくて済むので、ちょっと気分転換に読むにはもってこいでした。


初めて読む作家なので、最初はよく分からない書き出しでこんなんで読めるかな~って思ってましたけど、何時の間にかワンダーワンダーでなんとも言えないのってりとした文章に引き込まれる。


第一、題が変。
「これでよろしくて?」(川上弘美)って言うんです。


でも、ここにでて来るおば様方の台詞はさり気無く含蓄がある。

結婚して7年になる専業主婦の菜月が主人公。
夫の妹や、「ママン」の姑が遣ってきてから彼女の生活に微妙な風が吹くお話です。

「渡る世間は鬼ばかり」みたいな嫁姑問題はないけれど、何となく息が詰まる感じはわかる・・・

主人公は、「これでよろしくて?同好会」で鍛えられ、荒波?を乗り切っていくんですが、まあ、最後は舅が倒れて姑が家に帰っていくことでめでたしめでたしのようです。


結婚している人には理解できそう。
お姑さんと同居している人とかも・・・ふんふん、て思えるところがあるかも。


この小説で初めて知った言葉が「おためごかし」でした。
辞書引いて、ふーんです。

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「悼む人」を読んで

滝田洋二郎監督の「おくりびと」がアカデミー賞の外国語映画賞に選ばれたそうですね・・・・
おめでとうございます。日本映画もまだまだ健在・・・てことでしょうか。


生憎TVで以前予告を見ただけで映画自体は見ていないんですが。。。
遺体を棺に納める「納棺師」のお話で、本木雅弘さんが主演。




先日ぶらりと立寄った本屋さんで、手にとった本が「悼む人」です。
いつもなら○○賞受賞作品という帯の付いた本は絶対買わないのに、何を血迷ったのか買ってしまいました。(特にハードカバーは高いので文庫本になるのを待ちます。)

多分、勘違いして「おくりびと」のイメージがパッと浮かんでしまったからなのだと思います。

それに、出だしのプロローグがちょっと私好みだったこともありますが・・・
吃驚したのは、買ってきたその日の夜、たまたまTVをつけたら、その作品の特集をやっていた事です。何で~ってな感じ・・・・
(間違ってはやりに乗ってしまったという見方も出来るかも。)



ふたつとも内容も雰囲気も全く違うのですが、共通することがあるとすればそれはやっぱり「死」なのでしょう。

ごく普通の身近な人の死。
「死」を受け入れ大切に思うこと。



癒しという言葉が軽いほどに死もまた軽い、そんな風潮に対するメッセージがこうした作品に対する評価になっているのかなって思います。
テーマがテーマだけに人によって受け止め方は様々なのでしょうが・・・・

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探しても本が出てこない!読み返そうと思うのに。。

スタニスワフ・レム氏が亡くなったそうです。

レム氏と聞いただけですぐ分かる方はかなりのSF通。
でもレム氏の名前を知らなくても「ソラリスの陽のもとに」の小説をご存知の方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。


多分小説自体知らなくても「惑星ソラリス」の映画の名前ぐらいは知っているかも・・・・・

今回死亡記事を読むまで、彼がポーランド人だとは知りませんでした。てっきりロシア人だと思い込んでいました。すみません!
映画監督のアンドレイ・タルコフスキーと勘違いしていたみたい。



懐かしいの一言ですMan1p  。

思わず読み返そうとして本箱を漁ったのだけど、あっちこっち探しても出てこない!

こんな時、本にカバーをしていると探すのが大変。
いちいち本を出して表紙を捲らないと何の本だか分からない。

「2001年宇宙の旅」の傍にありきやと思えば無い。。。


「ソラリスの陽のもとに」はSFの世界で古典的な名著として知られていますが、SFに限らず非常に深遠なテーマを扱った純粋な文学作品だと思いますPiyo_i_055_24

「理解」とは何かを深く考えさせられる作品だからです。

「未知との遭遇」に代表されるような、所謂SF娯楽作品とは全く別の作品です。



古典になってしまったので、若い方の為に簡単に内容をご紹介:

二重星の周りを廻る惑星ソラリスは、研究の結果ソラリスに浮かぶ海が知的生命体だと分かります。
多くの研究者がその解明に挑みますが、成功しません。

主人公の心理学者クリス・ケルヴィンが観測ステーションに来てみると、ステーション内は異変が起きており友人は自殺し、他の研究者も部屋にこもって異常な行動をとっている・・・・

クリスが目覚めてみると目の前には自殺した筈の妻がいる!
それは海が示した行為だったのです。

ソラリスの海は、相手の記憶の中に入り込んでその中にあるトラウマをその人物の形で実体化するという行動をとります。

小説の中でその人物は「お客」と呼ばれ、各隊員は海の放つお客の対応に追われて部屋から出られなくなっているのです。


クリスの妻も自殺を繰り返します。死んでも翌日にはまた現れる・・・・・
クリスと妻の関係は小説を読み進めるうちに変化していきます。



レム氏は、この小説で未知の生命体との遭遇において、人間の思考の枠内で全てを理解しようとすることに疑問を呈しています。
人間同士においてでさえ「理解」することは難しいのに、ましてやという訳です。

ここでは「理解」という行為を哲学、心理学、認識学や倫理学を通じて私たちに問うているといえるでしょう。

恐るべし、レム氏です。
未だに新鮮 Man9b !!

未だの方は、まず映画よりも小説の方を先に読まれることをお勧めします。
SFの持つ叙情性よりも作品の静謐さを感じていただきたいからです。


うーん、癒しになるかどうかは・・・・・


さてと、また本箱探さなきゃ。。。。何処かなあ~

Man13f 今回の記事はココログのメンテナンス中に書き上げてしまったのでタイムリーにUPで来ませんでした。
仕方が無いのでもう一つのBlogに同じ内容を先にUPしています。
ご了承くださいませ。

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私にとっての癒される本

先日、村上春樹の小説が癒しだと言うお話が出たので、今日は、私がお勧めする癒しの本をご紹介したいと思います。
(この内容はもう一つのblogで紹介したものですが、癒しとあってはこちらでもご紹介するのが
本筋だとおもうので・・・・)

私にとって癒される本とは・・・・・

誰でも癒されるとは思いませんが、ここでは2つ挙げたいと思います。
どちらも大好きで、私が癒されたい時に手に取る本です。

1つ目は野尻抱影の本です。
若い人には余り馴染みが無いかも知れませんが、野尻抱影はMan2y 星をテーマにしたエッセイを数多く残しています。
私は筑摩書房から出ているシリーズ
1.星空のロマンス、
2.星の文学誌、
3.山で見た星、
4.ロンドン怪盗伝(これだけは星の話ではありませんが、楽しくてぐいぐい引き込まれますよ。)
を愛読しています。

星の好きな人にはとてもお勧めです。
純粋に星座の解説書として読むこともできますし、エッセーや物語として読むこともできます。

抱影の人柄を反映して緻密でありながらその文体は優しく何処かほのぼのとしています。

もう一つは川端康成の「掌の小説」です。
たった数頁の短い小説からなる短編集です。中には二頁に満たないものも・・・・

一つ一つの作品がまるで宝石のように綺羅綺羅Man13d_4 と光っています

短い言葉の中に魂が詰まっている・・・・・その言葉が読者の心の中で無限に広がっていく、
そんな感じの小説です。

癒しを求める人は心がとても敏感になっています。だからたった一言でも鋭く響きます。

川端の珠玉の言葉は癒しを求める人の心に深く届くのではないかと思います。
さあ、あなたの心に響く言葉を見つけてください・・・・・


一度手にとって見ては如何でしょうか。

一人でも多くの方が癒されますように。。。Msfl13p_2

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本箱をあさっていたら

とある本を探そうと思って本箱の中をあさっていたら・・・・
何と古い文庫本で同じ本が二冊出てきました。
何で二冊あるのかしら・・・?
如何やら若かりし頃、高校と大学の時に知らずに買っていたようです。薄すぎて本の間に埋もれていた?

ああ、何と懐かしい。。。Man13d

それは福永武彦のエッセー「愛の試み」です。

著者は冒頭で愛について、特に恋愛について語ると書いていますが、実際にその中で云わんとしているのは人間の根源的な孤独についてです。

非常に短い短編からなるエッセーは、愛にまつわるエゴや初恋の神秘、肉体的快楽、憐憫と自己犠牲などについて語りながら、愛とは何かを掘り下げています。
私の好きだった「狭き門」のアリサや「谷間の百合」のモルソーフ夫人もここではばっさりと切られていますが・・・・
(勿論愛している自分に酔っている愛なんて以っての外!)

時に挿話を交え、スタンダールの結晶作用を引用しながら、愛の孤高さを説いている様な気がします。
この挿話がまたいいのです。読後にとても考えさせられてしまいます。

恋愛に遠い年になると、こういう本は何だかとても新鮮だし今だから分かる感情もあって愛に年齢は関係ないのだと気付かされます。

趣味で書いている物語もラブロマンスなんですが遊びで書いているものに恋愛の本質論を投影するのは無理だなあ・・・・如何しても書き手の自己満足でご都合主義になってしまいますよね。。。。

恋愛に悩んでいらっしゃる方、孤独に苛まれている方、一度読まれてみては如何でしょう。何か糸口が見えるかもしれません。

偶然なんですが、このエッセーには古代人の愛について述べているところがあります。そこで折口信夫を引用して「こひ」とは招魂のことで、愛している者の魂を自分の身中に招くことを意味したと書いています。
更に大津皇子に関連して皇女(姉)の挽歌を引用しています。
「死者の書」を理解するには古代人の恋愛感の知識が必要ですねMsfl3b

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